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我こそ乙女!! #6 カリスマの極意

01/08
【このお話の登場人物】
恐山 百合子(きょうやま ゆりこ)

春輝 マサル(はるき まさる)

安藤 星(あんどう せい)

丸山 桜(まるやま さくら)

浦島 恋次(うらしま れんじ)
「やぁやぁやぁ、諸君おはよう!天下のカリスマ・浦島恋次のお出ましだ!!」

 自称・天下のカリスマが叫んだ。当然、周囲の反応は皆無である。

「あ、あのー・・・」

 浦島が小声で訊ねる。

「ちっ、またあの空振り野郎か。」

 と、百合子。
「空振り野郎」―。まさに、こんな駄目な男に相応しいあだ名だ。

「イマイチ男らしさに欠ける男だ。」
「ホントホント。」

 と、生徒会長の安藤と桜。
 浦島が呆気にとられているその時、眩い光が生徒の中に混じっていた。そいつが、我らが神・春輝だ。

「何たって今一番の注目はこのカワイイ春輝なんだよなーww」
「てめっ、いい加減にしろよこのゴリラ面がよ!!」
「あ”!?」

 百合子と桜が春輝を巡る罵り合いと、生徒達の掛け声の中、カリスマモドキが一人残されている。

「んだよ!!お前らこのオレと春輝、どっちがいいってんだよ!!」

 浦島が叫ぶ。

「フン、見せてやるよ。春樹が如何にお前なんかより格上かをな。」

 百合子が一枚の写真をズボンのポケットから抜き出す。

 テレレレン!☆

 写真は、春輝が某漫画に登場する出っ歯の男を思わせるような、右腕を頭の上に、左を胸元に、そして左片方の脚を上に曲げたポーズをとっていた。

「ガハハハハ!!何だよコレ!オレがいつもキメてる時より格下じゃねーか!!」

 浦島が大声で笑う。

「ハッ、馬鹿も休み休み言いやがれ。コイツをよく見てみろ。」
「は・・・?」

 百合子の鞄から取り出されたのは、一冊のファッション雑誌。その中には春輝の写真がしっかりと掲載されている。その結果は驚いた事に・・・

(き・・・金賞・・・だと・・・!?)

 流石のカリスマモドキ・浦島もこれには顔面蒼白である。

「まぁ、何だ。皆さんが勝手に僕の恥ずかしい写真をモデル誌に投稿したものだから・・・まぁ、僕としては中の下だと思いますが。」

 終始呆気にとられた自称・カリスマは、反論する気力もない。
 そこで口にした言葉は・・・

「サーセン・・・これからは自重します・・・。」

#6 END
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プロフィール

真月院 流七

Author:真月院 流七
1月15日生まれ。
某ホテルでの正社員。主に食器洗浄の仕事をやってます。
習得資格は漢検2級。
趣味は漫画、イラスト、小説。

コメントは賞賛、叱咤激励など受付中。
当人および他者様への中傷はご遠慮ください。

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