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我こそ乙女!! #4 負けてなるものか

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【このお話の登場人物】
恐山 百合子(きょうやま ゆりこ)

春輝 マサル(はるき まさる)

森 恭平(もり きょうへい)

丸山 桜(まるやま さくら)
「将来私は、「春輝マサル」の花嫁になる事を、ここに誓う!!」

 クラス一の怪女が大声で胸を張って叫んだ。相も変わらず恐ろしい女だ。僕の気持ちも知らないで。
 そこで僕は、こう提案した。

「それなら恐山さん、僕との腕相撲に勝ったら考えておきましょう。」
「む・・・あまり気乗りしないが、いいだろう・・・」

 二人本気で腕相撲する事5分―。
 恐山が必死なのに対し、僕は雄っぱい専門のゲイポルノ雑誌片手に余裕で耐えていた。

ダンッ

「畜生・・・何で雄っぱい本読みながら腕相撲が出来るんだ、あんたは・・・!!」
「腕相撲をしてみて、貴方の力は所詮そんなものか。少しは僕の気持ちを考えてほしいものだな。」

・・・これで、奴が僕との恐ろしい結婚を諦めてさえしてくれれば、僕は晴れて雄っぱいという楽園に辿り着ける・・・。
 そう思っていた矢先―。

「よぉし・・・そんなに言うなら、徹底的に鍛えてあんたを負かしてやるぞ・・・!!」

 その時、僕の脳裏に何か恐ろしい光景が浮かんだ。
 徹底的に鍛えられた彼女が僕を負かし、その代償として僕に「あたしと結婚をしろ」と迫ってきた。そう考えていると、僕は恐ろしさのあまり、体中が酷く震え出し、顔を蒼白くさせて、廊下の真ん中に倒れ込んだ・・・。

*****

 春輝が倒れて数日後。百合子がイライラしながら事情を聞いた。

「オイ、私の春輝が何日も来てないのは何故だ。」
「あぁ、お前が怖いって、前に相談があってだな・・・」

 と、恭平。

「アンタ春輝クンに何したのさ?」

 と、桜。
 百合子の方はというと、無表情のまま、顔を青くして体中を小刻みに震わした。

(あ・・・あたしじゃない・・・あたしのせいじゃ・・・)

 好きな相手を極限まで追い詰めたという自覚が持てないまま、百合子は春輝が学校に復帰するまでの間、無口になったのだった。

#4 END
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プロフィール

真月院 流七

Author:真月院 流七
1月15日生まれ。
某ホテルでの正社員。主に食器洗浄の仕事をやってます。
習得資格は漢検2級。
趣味は漫画、イラスト、小説。

コメントは賞賛、叱咤激励など受付中。
当人および他者様への中傷はご遠慮ください。

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